©sakuma fi9le 2014-2015

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​神父と踊り子 - Myosotisの手記

私たちのような去勢された男を「根無し草(デラシネ)」と人は呼ぶ。

地に根をはることも、産み栄えることもない。

それでも 彼は私に、文字と祈りと生きる意味を教え

私は彼に、踊りと体温で応えた。

旅立ちの日はもう目前に迫っていた。

その朝、彼は身につけていた十字架を外し左胸に優しく手を添えた。

「迷った時は、いつでもここに問いなさい」 禁忌を犯しても私を救おうとした優しすぎる彼に寄り添ってくれるようにと

花の種に祈りを込めた。 次の春、側にいることはできないから。

彼らは地を耕し、命を繋いでいく。 いつか故郷を問われたなら、彼がいる場所と答えられるように。

そして今、私には名前がある。 彼が来年の春、咲かせるだろう花の名前を与えられた私は、どの地でも迷わない。

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神父:sakura
踊り子:sakuma
 
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Hariko